DTMのミックスマスタリングで「音がこもる&音圧が小さい」理由と解決策

2025年8月8日 | DTMサポートブログ

音楽制作に情熱を注ぎ、いざ配信に踏み切ったとき、「音がこもって聴こえる」「他の曲に比べて音が小さい」と感じたことはありませんか?これらの問題は、せっかくの楽曲の魅力を半減させ、リスナーに聴きづらい印象を与えてしまいます。

この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、プロのエンジニアが実践するミックス・マスタリングのテクニックを解説します。

なぜ音が「こもって」聴こえるのか?

音がこもって聴こえる主な原因は、ミックス時の周波数帯域の整理不足にあることがほとんどです。以下、具体的な失敗例をあげていますので、自分の曲に当てはまるかを検証してみて下さい。

中低域をブーストし過ぎ

ミックス時に中低域を過剰にブーストすると、音が濁り、ボーカルや高音を鳴らす楽器のクリアさが失われます。

周波数帯域が衝突している

複数の楽器が同じ周波数帯域を占有すると、音がぶつかり合い、全体が団子状になってしまいます。特に、ベースとキックドラムの低域、ボーカルとシンセサイザーの中域はぶつかりやすいポイントです。

モニタリング環境が悪い

安価なスピーカーやヘッドホンは、特定の周波数帯域を強調して再生する傾向があり、正確な音の判断を妨げます。これにより、「こもり」に気づかないまま作業を進めてしまうリスクが高まります。

なぜあなたの曲だけ音が「小さく」聴こえるのか?

他のプロの曲に比べて音が小さいと感じる場合、ラウドネスが鍵となります。

Spotify公式:https://support.spotify.com/jp/artists/article/loudness-normalization/

多くの配信プラットフォームは、楽曲の音量を均一化するラウドネスノーマライゼーションという機能を導入しています。これは、リスナーが快適に音楽を楽しめるようにするためのものです。あなたの楽曲のラウドネス値が低いと、再生時に自動的に音量が引き上げられず、他の曲より小さく聴こえてしまいます。

また、コンプレッサーやリミッターを使ったダイナミクス調整が不十分だと、音の大小の差が激しくなり、楽曲全体の平均的な音量が低くなってしまいます。

プロが実践するミックス時の解決方法

音がこもる、音が小さいといった問題を解決するには、ミックス・マスタリングの段階で適切な処理を行うことが不可欠です。

1. EQ(イコライザー)で音をクリアにする

EQ処理は、音の周波数帯域を調整し、音の明瞭度を向上させるために最も重要で有効なツールです。

ローカット(ハイパスフィルター)

ボーカルやギターなど、低域の成分が不要なトラックには積極的に適用しましょう。不要な低域がカットされ、ベースやキックの音がクリアになります。

マスキングの解消

周波数アナライザーを使用して、特定の周波数帯域で音が重なっていないかを確認します。複数の楽器が同じ帯域でぶつかっている場合は、片方の楽器のその帯域をわずかにカットし、もう一方の楽器の聴かせたい帯域を少しブーストするなど、互いに音の道を譲るように調整しましょう。

2. コンプレッションで音圧を稼ぐ

コンプレッサーは、音のダイナミクス(音量の幅)をコントロールし、全体の音圧を均一化するために不可欠なツールです。

適切なコンプレッション

ボーカルやドラムなど、音量にばらつきがあるトラックにコンプレッサーを適用することで、音が安定し、楽曲全体で存在感が際立ちます。強くかけすぎると音が潰れるため、アタックリリースといったパラメータを細かく調整し、自然なコンプレッションを心がけましょう。

サイドチェインを使う

キックとベースのように低域でぶつかりやすい楽器に対しては、キックが鳴ったときにベースの音量を一時的に下げるサイドチェインコンプレッションが有効です。これにより、キックの存在感を際立たせつつ、低域のクリアさを保つことができます。

【チェックリスト】音質を劇的に向上させる7つのヒント

音質を向上させるためには、細部に気を配った調整が重要です。

①モニタリング環境の徹底

制作環境の音響特性を正確に把握するため、吸音材などを活用してルームアコースティックを改善しましょう。

②高品質なモニターの選択

正確な音像を捉えるために、フラットな特性を持つモニタースピーカーやヘッドホンを選びましょう。ヘッドホンを選ぶ際は、密閉型よりもオープンバック型がより自然な音を感じられます。

③プラグインの質を追求

より精度の高い高品質なEQ、コンプレッサー、リバーブプラグインを導入することで、ミックスの幅が広がります。

④リファレンス楽曲の活用

自分の制作している楽曲とジャンルや雰囲気が似ているプロの楽曲をリファレンスとして使用し、ミックスやラウドネスを比較しながら作業を進めましょう。

⑤音源のクリーンアップ

録音された音源にノイズや不要な成分が含まれていないか、ミックス前に丁寧に確認・除去しましょう。

⑥マスタリングの分離

ミックスとマスタリングは工程を分けて行うことを推奨します。可能であれば、マスタリングはミックスとは別の日に、新鮮な耳で行うとより良い結果が得られます。

⑦最終チェックの徹底

PCのスピーカー、スマートフォン、イヤホン、カーステレオなど、様々な再生環境で必ず最終チェックを行いましょう。

プロにミックス&マスタリングを外注して音質を劇的に改善する

「自分でやるのは難しい」「もっとクオリティを追求したい」という場合は、ミックスマスタリングの外注をご依頼ください。

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