「Empirical Labs Mike-E Comp」は、レコーディングの世界では知らない人はいない伝説的な機材です。マイクプリアンプとコンプレッサーを一体化したこのハードウェアは、太くパンチのあるサウンドを生み出すことができるため、多くのプロフェッショナルに愛用されています。
この記事では、Mike-E Compの魅力をプラグインで再現する製品の特徴やサウンドメイクのヒントを解説します。
Mike-E Compとは?
「Mike-E Comp」は、世界的な名コンプレッサー「Distressor」で知られるEmpirical Labs社が手がける、プリアンプとコンプレッサーを統合したハードウェアです。
録音時にマイクからの信号を整えつつ、音楽的でパンチのあるコンプレッションを施せるのが最大の特徴です。この1台だけで、「アナログの太さ」や「心地よい倍音」をサウンドに加えることができます。
DTMでも使える!プラグイン版の魅力
▶メーカーサイト:Softube Empirical Labs Mike-E Comp
Empirical Labsのプラグインは、その独特なキャラクターを忠実に再現しています。MASTER SOUNDでも、プラグイン版でその「太いサウンド」をミックスに活かしています。
Warmth機能
デジタルサウンドに、アナログ特有の心地よいサチュレーション(倍音)を加えることができます。これにより、音が前に出てくる存在感を演出できます。
多彩なコンプレッション
シンプルなノブ操作で、ボーカルやドラムなど、どんな音源にも最適なダイナミクス処理が可能です。
直感的な操作性
複雑な設定は不要で、少ないノブで狙ったサウンドに素早く近づけます。
Mike-E Compプラグインの活用術
ここでは、DTMerが実際にミックスで使える具体的なテクニックをご紹介します。
1. ボーカルに「存在感」と「太さ」を
Mike-E Compのプラグインは、ボーカルトラックに使うと特に効果を発揮します。
プリアンプ部分で少しゲインを稼ぎ、温かみを加えます。次にCompSatセクションで軽くコンプレッションをかけることで、声のダイナミクスを均一にし、ミックスの中で埋もれないハリのある声に仕上げます。
COMPSATノブ
1.5~3.0程度に設定。ノブの数値が大きくなるほどコンプレッションが強くなります。
2. ドラムに「パンチ」と「グルーヴ」を
キックやスネアといったドラムの単体トラックにインサートすることで、アタックを強調し、よりタイトで迫力のあるサウンドにできます。
キックにインサートしてコンプレッションを強めにかけると、アタック感が強調され、前に出てくるパワフルなキックサウンドになります。スネアに使うと、パンチのあるアタックと、アナログならではの心地よいサステイン(余韻)を両立できます。
COMPRESSEDノブ
強め(3.0以上)にし、FASTスイッチをオンにすると、アタックが際立ち、よりタイトで切れの良いスネアになります。
LOW-CUTフィルター(HPF)をONにすると、不必要な低域をカットし、よりクリアで芯のあるキックにできます。
3. ベースやギターに「厚み」と「安定感」を
ベースやギターのトラックにMike-E Compプラグインをインサートして使います。
サウンド全体に厚みと安定感が加わります。
ベースにコンプレッションをかけることで、音量のバラつきを抑え、ミックスの土台を安定させることができます。Warmth機能を使うと、デジタル感のない温かい倍音を加えられます。
ミックスマスタリングを外注するなら
Mike-E Compのプラグインは、DTM環境でアナログの魅力を手軽に体験できる素晴らしいツールです。プロの「質感」や「空気感」をお求めの場合は、ミックスマスタリングの依頼をぜひご相談ください。