プラグイン紹介|Maag EQ2

2025年8月25日 | MASTER SOUND使用機材のレビュー

Maag AudioのEQ2は、音楽制作の世界で時代を超えて愛される「伝説の機材」です。特に「Air Band」と呼ばれる唯一無二の機能は、まるで魔法のように音に輝きと透明感を加えることで知られています。

この記事では、そんなアナログEQの名機「Maag EQ2」の魅力を、DTM環境で使えるプラグイン版に焦点を当てて解説します。具体的な使い方から、同じく人気の「EQ4」との違いまで、DTMerのための情報をまとめました。

Maag EQ2プラグインとは?

Maag EQ2は、元々は高価なアナログハードウェアですが、今では「Plugin Alliance」からその特性を忠実に再現したプラグイン版がリリースされています。

▶メーカーサイト:Plugin Alliance Mäag Audio EQ2

このプラグインの最大の特徴は、一般的なEQと異なり、最小限のノブで直感的に操作できるシンプルさです。複雑なパラメータをいじることなく、ボーカルや楽器の音をより音楽的に、そしてプロフェッショナルなサウンドに仕上げることが可能です。MASTER SOUNDではヴォーカル・チェーンの最後に「声の色付け」として常駐しています。

Maag EQ2の心臓部:「魔法のAir Band」

Maag EQ2が多くのエンジニアに愛される最大の理由は、なんといっても「Air Band」です。

この帯域は、一般的なEQが高域をブーストすると耳に痛く、硬い音になりがちなのに対し、位相をほとんど乱さずに音の「空気感」や「艶」を自然に引き出すことができます。

明瞭度アップ

ボーカルやアコースティックギターなど、音の輪郭を際立たせ、ミックスの中で埋もれさせません。

広がりと奥行き

ミックス全体に、まるでベールを剥がしたかのようなクリアな広がりを与え、奥行きを感じさせます。

刺さらない高音

シンバルやハイハットといったパーカッションの高域を、きらびやかでありながら耳に刺さらない、美しい音色へと変えます。

DTMでの具体的な活用Tips

Maag EQ2は、単体のトラックからミックスバス、マスタリングまで、幅広いシーンで活躍します。

1. ボーカルに命を吹き込む

ボーカルはミックスの主役です。しかし、ミックスに馴染ませようとすると、どうしても存在感が薄れがち。ここで活躍するのがMaag EQ2の「Air Band」です。

ボーカルのトラックにEQ2をインサートし、Air Bandのノブをゆっくりと回してみてください。他のEQでは得られない、透明感と艶が加わり、歌声が自然に前に出てくるはずです。

2. ドラムの打楽器を研ぎ澄ます

ドラムのミックスは、楽曲全体のグルーヴを左右します。Maag EQ2は、特にシンバルやスネアといった打楽器の音作りに最適です。

シンバルのトラックにAir Bandを少し加えることで、ノイズ感を抑えつつ、きらびやかさを強調できます。また、スネアのアタック感を際立たせたい場合は、L-M-F帯域の1.4kHz付近を少しだけブーストすると、抜けの良いアタック感が生まれます。

3. マスタリングで最終的な仕上げをする

マスタリングは、ミックスの最終的な音質を決定する重要な工程です。Maag EQ2は、このマスタリング作業でも驚くべき効果を発揮します。

ミックスバスにEQ2をインサートし、Air Bandをほんの少しだけ加えることで、ミックス全体に透明感が生まれ、音圧を上げてもクリアなサウンドを保ちやすくなります。

使い方事例:ヴォーカル・チェーンの2段目

MASTERSOUNDで実際の女性ヴォーカルに対してインサートした際のセッティングです。2本目のEQとして、コンプレッションをかけた後に使用しています。AIR BANDは「20でクリアな高音を引き出しています。650Hz周りは他の楽器とぶつかる帯域のため、少し削っています。160Hz以下の同様です。もし使い方に迷ったらこちらのセッティングから初めて、実際の音を聴きながらそれぞれ調節してみてください。

Maag EQ2 vs EQ4:選ぶならどっちが良いか?

Maag EQシリーズには、EQ2の他にEQ4という人気のプラグインも存在します。「どちらが良いのか?」はDTMerにとって永遠のテーマです。特徴の違いを簡単にまとめてみました。

Maag EQ2

  • LMFバンド:2バンド(可変Q)
  • 調整:マイルドで繊細
  • 得意な用途:ピンポイントの音作り、ボーカル、ドラム
  • Air Band:15kHzと30kHzの2種

Maag EQ4

  • LMFバンド:4バンド(固定Q)
  • 調整:派手で大胆
  • 得意な用途:ミックス全体の調整、楽器の甘い音色付け
  • Air Band:2.5kHzから40kHzの6種

結論:ヴォーカルで使うのは「Maag EQ2」

Maag EQ2は、ピンポイントで音楽的な調整をしたい場合に最適です。特にボーカルやスネアなど、トラックごとの音質を細かく彫刻したいDTMerにおすすめします。一方、ミックス全体をざっくりと整えたい場合はEQ4が有効です。

まとめ

Maag EQ2プラグインは、そのシンプルな操作性と、唯一無二の「Air Band」で、あなたのミックスをプロレベルに引き上げてくれる強力なツールです。

「音が前に出ない」「ミックス全体が曇って聴こえる」といった悩みは、この魔法のEQが解決してくれるかもしれません。ぜひ一度、お持ちのDAWで試してみてください。

プロのサウンドをさらに追求したいDTMerへ

「もっとクリアな音にしたい」「音圧を上げたいけれど、どうすればいいか分からない」そんな時は、ぜひMASTER SOUNDの「ミックス・マスタリングサービス」をご利用ください。

プロのエンジニアが、DTMに特化した高品質な機材と技術で、あなたの楽曲をプロレベルのサウンドに仕上げます。まずは無料お見積りから、お気軽にご相談ください。

▶︎ MASTER SOUNDのサービスを見る

ITBミックス&マスタリング
プロが選ぶクリアなサウンドと音圧
1曲¥9,900~
プラグイン紹介|Shadow Hills Mastering Compressor
プラグイン紹介|Shadow Hills Mastering Compressor

その最大の特徴は、「2つのコンプレッション回路」と「3つの出力トランス」を組み合わせることで、他では得られない、唯一無二のサウンドを作り出せる点にあります。マスタリングに特化した独特な機能を紹介します。

プラグイン紹介|Dangerous BAX EQ
プラグイン紹介|Dangerous BAX EQ

BAX EQは、そのような位相の歪みを最小限に抑えるために、特殊な「BAX回路」を採用しています。これは、シェルビングEQをベースに、緩やかで広い帯域をコントロールすることで、極めて自然な音色補正を可能にしています。

MASTER SOUND 9 MASTER SOUND使用機材のレビュー 9 プラグイン紹介|Maag EQ2