「パラデータの作り方」で迷わない!初心者向け完全ガイド

パラデータの基本的な知識や入稿時の注意事項をまとめてみました。データの準備から書き出し方法など、パラデータの作り方も詳しく解説しています。

パラデータの作り方

パラデータとは何か?

音楽制作におけるパラデータとは、楽曲を構成する各トラックを個別に書き出した音声ファイルの集合のことを指します。たとえば、ボーカル、キック、スネア、ベース、シンセなどをそれぞれ独立したWAVファイルとして保存したものがパラデータです。ミキシング作業(トラックダウン)のために楽曲のデータを引き継ぐためのオーディオファイルだからこそ、正確かつ丁寧な準備が必要になります。

パラデータとステムデータの違い

プロの現場では「パラデータ」や「ステムデータ」という言葉がよく使われますが、混同しやすいので違いも確認しておきましょう。

パラデータ

  • 構成各トラックごとの書き出し
  • 用途:ミックス作業用に細かく渡すため
  • ファイル数:多い(10~100トラック以上も)

ステムデータ

  • 構成:複数トラックをまとめたもの(例:ドラム全体)
  • 用途:ライブや放送用の素材として
  • ファイル数:少ない(4~10トラック程度)

パラデータが必要な理由

ミックスエンジニアへの依頼時に不可欠

宅録や自主制作が一般化した今、プロのミックスエンジニアに仕上げをお願いするケースも増えています。そんな時に必須なのがパラデータ。ミックスのクオリティは、元のデータがどれだけ整理されているかに大きく左右されます。

修正や再利用がしやすくなる利点

一度パラデータを作っておけば、他のエンジニアへの再依頼や、TV用・YouTube用・カラオケ用などさまざまな用途に転用できるのが大きなメリットで、曲の資産価値を高める意味でも超重要です。

パラデータ作成の基礎知識

サンプリングレートとビットレート

44.1kHz/16bit48kHz/24bit のどちらかで問題ありません。ハイレゾでの出力が必要な楽曲の場合に限り、これ以上の数字で書き出しすることは必要ありません。CD用であれば44.1kHzでもOKですが、映像用途も考えるなら48kHzがベスト。

トラックの整理とネーミングルール

「Audio_01.wav」では意味がわかりませんよね?「Kick.wav」「LeadVocal.wav」のように、誰が見てもわかるファイル名にしましょう。また、パンのこだわりはファイル名に記載するようにしましょう。例えば、左に振りたいコーラスパートは「Chorus_L.wav」のようにLRを明確にするとよいでしょう。

エフェクト処理の扱い

コンプレッサー、EQなどの処理 は基本的に全てOFF(生の音)で書き出しましょう。サウンドの一部となるリバーブやディレイ の空間系エフェクトは必要に応じてONで問題ありません。迷ったら、「DryとWetの両方を出す」のが安全です!

モノラルとステレオを正しく設定

歌ってみた等のステム以外のヴォーカルは基本的にモノラルで問題ありません。ヴォーカルの被せでステレオ効果を作りたい場合は、メインx1本・被せ2本(L,R)以上が標準になります。コーラスパートやハモリパートをまとめてステムデータで入稿する場合はステレオでOKです。

パラデータの作り方

①プロジェクトのバックアップ

まずは現在のプロジェクトを別名保存しておきましょう。失敗してもやり直せるように保険をかけておくのが基本です。

②不要なトラックの整理

トラック数が多すぎると相手も困ります。使っていない音・ミュートされている音は削除しましょう。

③フェードやクロスフェードのチェック

書き出す前に、トラックの頭と最後をちゃんと確認。ブツッと切れていたり、フェードが足りていないと、後でトラブルのもとになります。

④ファイル形式の指定

形式はWAV形式・非圧縮が必須です。MP3などはNG!

⑤クリップノイズや音割れをチェック

書き出し時の各トラックの音量は大きい方が良いですが、大きすぎてクリップしているものはNGになります。これは編集で補正が不可能なトラブルの代表的なものです。クリップは音割れのような感じで、水平にカットされてしまったような波形になります。波形がリージョンの「天井と床」を超えてしまった場合やトラックインジケーターが赤になってしまった場合に発生します。

⑥トラックの書き出し設定(レンダリング)

「個別トラック書き出し」や「バッチエクスポート」などの機能を使って、トラックごとに書き出していきます。曲全体を選択範囲として、空白部分を含む各トラックの尺が同じオーディオデータをそれぞれ作成します。各トラック毎の頭出しがそろった、長さ(尺)が同じWAVまたはAIFFで書き出したデータになります。出現頻度の少ない音は必然的に空白部分がほとんどの状態になりますが問題ありません。

パラデータの書き出し方法(使用DAW別)

Cubaseでの書き出し方法

11_楽曲の書き出し_CUBASE

Logic Pro Xでの書き出し方法

11_楽曲の書き出し_Logic Pro

Studio Oneでの書き出し方法

16. ソング(楽曲)の書き出し StudioOne

Ableton Liveでの書き出し方法

25. セットからオーディオファイルを書き出す Ableton Live

FL Studioでの書き出し方法

24. 楽曲を書き出す FL Studio

ネーミングとフォルダ管理

以前は文字化けを回避するために英数字で記載することが推奨されていましたが、特に気にせず各ファイルにわかりやすい名前をつけましょう。NG例としては、「ボーカル.wav」「bass.wav」「LeadVocal.wav」… 命名ルールがバラバラで名前が統一されていないと思わぬミスに繋がります。パラデータはフォルダにまとめてZIPで圧縮しましょう。

これで、整理されたパラデータの完成です!

最終チェック

音ズレやクリック音の混入がないか確認しましょう。トラックのオートメーションの残骸やエフェクトのプチノイズが意図せず入ってしまうことが多いです。必ず試聴して確認をしましょう。

データの共有

firestorageやGigaFile便、Google Driveで共有が一般的です。可能であれば「参考用2mix(自分でミックスしたデモ音源)」を一緒に送るのがベスト。エンジニアが音像の方向性を理解しやすくなります。

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